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ブリストルスケールとは?便の形7タイプと理想の便・受診目安を解説

ブリストルスケールとは?便の形7タイプと理想の便・受診目安を解説
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ブリストルスケールとは、便の形や硬さを7段階で分類する、世界的に広く使われている指標です。一般的にはタイプ3〜4が理想的な便の目安とされ、タイプ1〜2は硬い便、タイプ5〜7は軟らかい便に分類されます。自分の便の状態をセルフチェックするのに役立つ便利なツールです。

ただし、1回の便の形だけで病気や原因を判断することはできません。大切なのは、どのような変化が続いているか、ほかに症状があるかを確認することです。黒くタール状の便、血が混じった便、強い腹痛や繰り返す嘔吐がある場合は、医療機関に相談しましょう。

この記事では、7タイプの特徴や理想的な便の状態、便の記録方法、受診の目安に加え、便の形と腸内フローラの関係についても解説します。

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ブリストルスケールとは?

ブリストルスケール(ブリストル便形状スケール/Bristol Stool Form Scale:BSFS)は、便を形状と硬さによってタイプ1〜7に分類する指標です。英国ブリストル大学のHeaton博士らが考案し、現在では便の状態を本人と医療者が共通の言葉で伝えるために広く使われています。「柔らかめでした」といった感覚的な表現ではなく、「タイプ5が3日続いた」と伝えられるのが特徴です。

便の形から腸内の通過時間を考える目安になる

Lewisらの研究では、66人を対象に便の形・排便回数・便量と、腸内を通過する時間を調べました。その結果、便の形が通過時間と最も強く関連しており、下剤や止瀉薬(下痢止め)によって通過時間を変えると、便の形もそれに合わせて変化することが示されました。つまり便の形は、腸を通過する速さを推測する手がかりになります。ただし、完全に一致するわけではないため、通過時間そのものを測る検査の代わりにはなりません。

病気や便秘・下痢の原因を確定するものではない

これらのタイプは、あくまで便の状態を記録するための番号です。診療では、便の形に加えて排便回数、いきみ、残便感、腹痛、発熱、血液の有無、症状が続いた期間などを総合的に判断します。ブリストルスケールのタイプだけで、病気や便秘・下痢の原因を決めることはできません。

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ブリストルスケールの便の形7タイプ一覧

ブリストルスケール1〜7の便の形と、便秘傾向から軟便傾向への変化

タイプ

見た目

硬さ

一般的な見方

次に確認すること

1

硬く分離した粒

非常に硬い

便秘側のサイン

回数、いきみ、残便感

2

塊のあるソーセージ状

硬い

便秘側のサイン

水分・食物繊維・排便習慣

3

表面にひびのあるソーセージ状

やや硬め

一般的な目安の範囲

出しやすさ

4

なめらかで柔らかいソーセージ・蛇状

ちょうどよい

一般的な目安の範囲

今の習慣の継続

5

輪郭が明瞭な柔らかい塊

柔らかい

やや軟らかい便

頻度、急な変化

6

輪郭が崩れた泥状

かなり柔らかい

軟便として経過観察

続く期間、脱水、発熱

7

固形物のない水様

液体状

水様便として経過観察

回数、血液、薬の使用

写真や表と見比べるのはセルフチェックの出発点で、診断表ではありません。

タイプ1・2|便秘傾向の目安となる硬い便

『便通異常症診療ガイドライン2023』では、排便の4分の1を超える頻度でコロコロ便または硬い便(タイプ1・2)があることが、便秘症の診断項目の一つに挙げられています。注意したいのは、毎日排便があっても、残便感や排便困難感(いきみ)、硬い便があれば便秘症と診断されることがある点です。原因や対策の詳細はこちらの記事で確認してください。

タイプ3・4|一般的に理想の目安とされる便

タイプ3〜4は、形がまとまり、比較的スムーズに排便しやすい便の一般的な目安です。健康な日本人277人を対象とした解析では、タイプ4がもっとも多く(女性46.8%)、タイプ3も約1割を占めていました。ただし、毎回タイプ4でなければ不健康というわけではなく、タイプ3・4はいずれも理想的な便の目安とされています。

タイプ5|やや軟らかい便

タイプ5は、輪郭のある柔らかい便です。旅行や外食、生理周期、睡眠不足など、一時的な要因でこのタイプになることも珍しくありません。1回タイプ5が出たからといって下痢とは限らず、何日続いているか、排便回数が増えていないか、腹痛や頻繁な便意を伴っていないかを合わせて確認しましょう。長く続く場合は、食事や薬の影響なども振り返ってみるとよいでしょう。

タイプ6・7|経過を確認したい軟便・水様便

タイプ6は輪郭が崩れた泥状便、タイプ7は固形物を含まない水様便です。この場合は、症状が続いている期間や1日の排便回数、脱水の兆候、発熱、血液の有無、抗菌薬を使用していないかなどを確認することが大切です。便の形だけで原因を判断せず、まずは記録をとり、症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。軟便や下痢の原因の詳細は、関連記事をご覧ください。

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理想の便はタイプ3〜4|形だけでなく出しやすさも確認

理想の便は「タイプ4だけ」と考えず、タイプ3〜4を幅のある目安として捉えましょう。便の形だけでなく、無理なく排便できるかも重要です。

無理にいきまず、痛みや残便感なく出せるかを見る

便の健康状態は、大きさや量だけで判断しないことが大切です。日本消化管学会の慢性便秘症の診断項目には、強くいきむ必要がある(怒責)、残便感、直腸肛門の閉塞感・排便困難感、指などを使って排便を助ける必要があることなど、排便に伴う症状も含まれます。日々の排便では、無理にいきまず、痛みや残便感なく出せているかを確認しましょう。

排便回数には個人差があり、「いつもとの変化」が重要

自発的な排便回数が週3回未満であることは、慢性便秘症の診断項目の一つです。一方、排便が週3回以上あり、硬便や残便感、排便困難感がなければ、毎日排便がなくても診断基準上は慢性便秘症にあたりません。便の形・出しやすさ・排便回数を組み合わせ、普段との違いや、その状態が続いているかを見ることが大切です。

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便のタイプが変わる主な背景

便のタイプが変化したときは、原因を一つに決めつけず、最近の食事・水分摂取・生活習慣・薬・体調などを全体的に振り返ってみましょう。

タイプ1・2になりやすい背景

タイプ1・2のような硬い便が続く場合、水分や食物繊維の不足、活動量や排便習慣の変化、薬剤、基礎疾患などが関係することがあります。特に食物繊維は、令和6年国民健康・栄養調査で成人の平均摂取量が1日18.1gでした。食事摂取基準の目標量は、成人男性20g以上、女性18g以上とされており、積極的な摂取が勧められています。

タイプ5〜7になりやすい背景

タイプ5〜7のような軟便や水様便が続く場合、感染症、食事内容、薬剤、ストレス、消化管疾患など、さまざまな原因が考えられます。自己判断で原因を決めつけず、長引く場合や警告症状があるときは医療機関を受診しましょう。

同じ人でも食事・薬・体調で日ごとに変わる

健康な日本人277人を対象とした調査でも、便のタイプは1〜6まで幅広く分布しています。同じ人でも、食事や薬、体調などによって便の状態は日ごとに変化します。一時的な変化と長く続く変化を分けて考え、特定の食品だけを原因と決めつけないことが大切です。

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05
ブリストルスケールを使って1週間記録する方法

1週間記録のポイント

毎回の排便で次の項目を確認しましょう

  • checked
    check 01
    毎回のタイプ番号、回数、いきみ、残便感、便意の切迫(急な便意)を短く書く
  • checked
    check 02
    色、血液、腹痛、発熱も一緒に記録する
  • checked
    check 03
    食事・水分・薬・体調の変化を添える
クリップペン
1週間の便のタイプ・回数・気になる症状と、食事・水分・薬・体調を記録する項目をまとめた図

診断のための作業ではなく、傾向と変化を医療者に伝えやすくするための記録です。スマートフォンのメモやカレンダーアプリに「日付・タイプ番号・気になった症状」の3点だけを書く形にすると、続けやすくなります。1週間分そろえば、「平日はタイプ2、休日はタイプ4」のように生活リズムとの関係が見えてくることもあります。

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タイプ別に見直したい生活習慣

タイプ1・2が続く場合は食事・水分・排便習慣を確認

水分は、気づかないうちに不足しがちです。日中にコップ1杯の水を数回プラスするなど、こまめな水分補給を心がけましょう。食物繊維も大切ですが、水分が不足した状態で急に摂取量を増やすと、便が硬くなる場合があります。少しずつ増やしていきましょう。厚生労働省では、食物繊維を1日プラス3〜4g増やす方法として、麦ごはんや納豆、ごぼう、りんごなどを無理なく取り入れることを紹介しています。便意を我慢しないことも大切です。改善しない場合は、医療者に相談しましょう。

タイプ5〜7が続く場合は水分補給と食べ方を確認

まずは脱水を避けることを優先しましょう。強い口の渇きや尿量の減少は脱水のサインとなるため、こまめな水分補給を心がけます。食事は、食べられる範囲でとるのが基本です。原因がはっきりしない場合も、極端な食事制限をする必要はありません。下痢止めは、発熱や血便がある場合は自己判断で使わず、持病や服用中の薬がある場合も、薬剤師や医療者に確認しましょう。

タイプ3・4なら今の習慣を無理なく続ける

毎日同じタイプに揃えることを目標にするのではなく、今の生活で続けられている食事・睡眠・活動量・排便リズムを保つことを優先しましょう。新しい対策を加えるより、うまくいっている習慣が崩れていないかを確認することが、良好な排便状態を維持するポイントです。

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便の形で医療機関を受診すべき目安

便の変化に気づいたときの警告症状、記録、医療機関への相談の流れを示す図

すぐに医療機関へ相談したい症状

黒くタール状の便、赤い血や膿が混じった便、腹部や肛門の強い痛み、繰り返す嘔吐、意識や様子の変化、脱水の兆候(強い口の渇き、尿量の減少、濃い尿、めまい)がある場合は、早急に医療機関へ相談しましょう。

便秘・下痢が続く場合も相談する

成人では、下痢が2日以上続く場合や、1日6回以上の軟便、高熱がある場合も早めの相談がすすめられます。妊娠中、65歳以上、抗菌薬を使用中の方、免疫機能が低下している方は特に注意が必要です。

また、タイプ1〜2の硬い便が続き、排便困難や残便感がある場合、排便習慣の急な変化、意図しない体重減少、血便、発熱、50歳以降に始まった便秘なども、医療機関で詳しく調べたいサインです。

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便の形と腸内フローラにはどのような関係がある?

便の硬さは腸内細菌研究でも重要な観察項目

健康な女性53人を対象とした研究では、便の性状が腸内細菌の豊かさや構成、エンテロタイプ(腸内フローラのタイプ)、菌の増殖速度などと強く関連しており、便の状態を評価することの重要性が示されています。先に紹介した日本人を対象とした解析でも、ブリストルスケールのタイプによって腸内フローラに違いがあることが報告されています。

さらに興味深いのは、硬い便(タイプ1・2)の傾向がある人、特に女性では、ビフィズス菌の割合が高い傾向がみられたことです。ただし、便の形だけから「善玉菌が多い・少ない」と判断できるわけではありません。これらはあくまで観察された関連であり、腸内細菌が便の形を変える、あるいは特定の菌が多いほど健康であるといった因果関係を示すものではありません。

chatFLORA Gの「便秘・下痢」カテゴリで確認できること

chatFLORA Gでは、「便秘・下痢」カテゴリで、便の形状タイプに応じたレポートやアドバイス、便秘・下痢や軟便に関連する菌が多いか少ないかを確認できます。さらに、おすすめの食材・栄養素・行動習慣も示されるため、1週間記録した便の傾向と現在の食生活を振り返るきっかけとして活用できます。

病気や便秘・下痢の原因を診断する検査ではありませんが、日々のブリストルスケールの記録に、便のタイプ別レポートや関連菌が多いか少ないか、食材・栄養素・行動習慣の提案を組み合わせることで、「次に何を見直せばよいか」を具体的に考えやすくなります。

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まとめ|便のタイプは1回ではなく傾向で見よう

ブリストルスケールは、便の形や硬さを7段階で記録し、日々の排便状態を把握するための便利な指標です。一般的にはタイプ3〜4が理想的な目安ですが、1回の便だけで便秘・下痢の原因や腸内環境の良し悪しを判断することはできません。日々の便の状態は、食事や水分、生活習慣、薬、体調などにも左右されるため、排便回数やいきみ、残便感などとあわせて、普段と比べた傾向を見ることが大切です。さらに、腸内フローラ検査なども活用しながら、自分の腸内環境の特徴を知り、食事や生活習慣の見直しにつなげていくとよいでしょう。ブリストルスケールと腸内フローラの情報を日々の変化とあわせて活用し、自分に合った腸活を考えるきっかけにしてみましょう。

この記事の著者

高畑 宗明

高畑 宗明博士(農学)

岡山大学大学院にて博士号(農学)を取得。腸内細菌や発酵食品の研究者として国内外で論文を多数発表。腸の健康や食に関する講演・セミナー、メディアへの寄稿など幅広く活動中。著書に『「腸内酵素力」で、ボケもがんも寄りつかない』(講談社)など。

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