












食物繊維が多い食べ物というと、野菜や海藻、きのこなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、食品の食物繊維量は「100g当たり」で見るか「実際に食べる1食分」で見るかによって、印象が大きく変わります。
また、食物繊維は「たくさん摂ればよい」というものではありません。1日の目標量を知ったうえで、主食・豆類・野菜・いも・きのこ・海藻・果物・ナッツなど、さまざまな食品から無理なく取り入れることが大切です。
この記事では、食物繊維が多い食べ物を「実際に食べる1食分」で比較し、それぞれどのくらいの食物繊維を摂れるのかを一覧で紹介します。
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01食物繊維が多い食べ物を1食分で比較


食物繊維が多い食べ物について、「日本食品標準成分表(八訂)」に基づき、食品の種類ごとに一覧表で比較しています。この表を参考に、1回あたりの食べる量や食物繊維摂取量を見てみましょう。
※食物繊維量の後の( )内の記号は測定法です。Aは難消化性でん粉や低分子のオリゴ糖類も含めて測るAOAC.2011.25法、Pは従来のプロスキー変法です。
表① 主食|麦ごはん・全粒粉パン・そば・オートミール
食品 | 食べる状態 | 1回目安量 | 食物繊維量 | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
押麦めし(押麦だけで炊いたもの) | 炊飯後 | 150g | 6.3g(A) | 白米に混ぜて主食に |
全粒粉パン | そのまま | 60g(6枚切り1枚相当) | 2.7g(P) | 朝の食パンの代わりに |
そば | ゆで | 180g(1玉相当) | 5.2g(A・推計値) | 昼のめん類に |
オートミール | 乾燥 | 30g | 2.8g(P) | 牛乳や汁で煮て朝食に |
押麦を白米に混ぜて炊く場合は、配合割合に応じて値が下がります。乾燥重量のオートミールと炊飯後のご飯は水分量が違うため、同じ100gで優劣を比べることはできません。
表② 豆類|納豆・蒸し大豆・いんげん豆
食品 | 食べる状態 | 1回目安量 | 食物繊維量 | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
糸引き納豆 | そのまま | 40g(1パック相当) | 3.8g(A) | 朝や夜の一品に |
蒸し大豆 | そのまま | 50g | 5.3g(A) | サラダやスープに加える |
いんげん豆 | ゆで | 50g(小鉢1杯) | 6.8g(P) | 煮豆や豆サラダに |
納豆はプロスキー変法の値も併記されており、その場合は40gで2.7gです。なお、発酵食品としての特徴は「発酵食品一覧|納豆・ヨーグルト・味噌などの種類と毎日の取り入れ方」の記事で扱っています。
表③ 野菜・いも|ブロッコリー・ごぼう・さつまいも・枝豆
食品 | 食べる状態 | 1回目安量 | 食物繊維量 | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
ブロッコリー | ゆで | 80g(小房5〜6個) | 3.4g(P) | 副菜や弁当に |
ごぼう | ゆで | 50g | 3.1g(P) | きんぴらや汁物の具に |
さつまいも(皮つき) | 蒸し | 100g | 3.8g(P) | 間食や副菜に。皮なしでは2.3g |
枝豆 | ゆで | 可食部50g(さやつき約100g) | 2.3g(P) | 夕食の小鉢に |
同じさつまいもでも皮の有無で値が変わります。野菜だけで1日分をまかなおうとすると摂取量が多くなるため、主食や豆類と組み合わせるのが現実的です。
表④ きのこ|しめじ・えのき・しいたけ
食品 | 食べる状態 | 1回目安量 | 食物繊維量 | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
ぶなしめじ | ゆで | 50g | 2.1g(A) | 汁物や炒め物に |
えのきたけ | ゆで | 50g | 2.3g(P) | 汁物や鍋に |
生しいたけ(菌床栽培) | ゆで | 30g(2枚程度) | 1.3g(P) | 煮物や汁物に |
味噌汁で食物繊維を増やす場合、主役は具のきのこや野菜です。味噌そのものの食物繊維量は少ないため、発酵のメリットとは分けて考えます。
表⑤ 海藻|わかめ・ひじき・焼きのり
食品 | 食べる状態 | 1回目安量 | 食物繊維量 | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
カットわかめ | 乾燥重量 | 2g(汁物1杯分) | 0.8g(A) | 汁物や酢の物に戻して |
ほしひじき | 乾燥重量 | 5g(煮物小鉢分) | 2.6g(P) | 煮物や混ぜごはんに戻して |
焼きのり | そのまま | 3g(全形1枚) | 1.1g(P) | おにぎりや朝食に |
海藻は100g当たりでは上位に並びますが、乾燥した状態で使う量は数gです。1回量にすると、ほかの食品と同程度か少なめになります。
表⑥ 果物・ナッツ|キウイ・りんご・アーモンド
食品 | 食べる状態 | 1回目安量 | 食物繊維量 | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
キウイフルーツ(緑肉種) | 皮を除いた可食部 | 85g(1個分) | 2.2g(P) | 朝食やデザートに |
りんご(皮つき) | 芯を除いた可食部 | 100g(約半個) | 1.9g(P) | 間食に。皮なしでは1.4g |
アーモンド(いり・無塩) | そのまま | 12g(約10粒) | 1.3g(P) | 少量の間食に |
ナッツは脂質も多いため、食物繊維だけを目的に摂取量を増やすことには注意が必要です。
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021日にどれくらい必要?量の表を使う前に知っておきたいこと


厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量が年齢・性別ごとに示されています。
年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
18〜29歳 | 20g以上 | 18g以上 |
30〜49歳 | 22g以上 | 18g以上 |
50〜64歳 | 22g以上 | 18g以上 |
65〜74歳 | 21g以上 | 18g以上 |
75歳以上 | 20g以上 | 17g以上 |
「目標量」とは、日本人が生活習慣病の予防のために当面目指す量です。この量を超えると危険という上限ではありません。1日25〜29gの摂取で総死亡や2型糖尿病などのリスクが低いというメタ解析があり、2025年版ではこうした知見を踏まえ、理想的な25gと日本人の摂取量の中間値から目標量が算定されました。一方、現状の20歳以上の平均摂取量は1日18.1gにとどまっています。
100g当たりと1食分を区別する
1食分の量は「100g当たりの量×食べる可食部の重量÷100」で求めます。たとえば、ほしひじきは乾燥状態で100g当たり51.8gですが、ゆでた状態では3.7gです。水を吸って重量が増えるためで、乾燥のまま100gを食べることはまずありません。
測定法にも注意が必要です。AOAC.2011.25法は難消化性でん粉やオリゴ糖類まで測るため、従来法より値が高くなる食品があります。食事摂取基準でも、八訂で計算して目標量に届いていても、予防の観点からは不十分な可能性があると補足されています。
水溶性・不溶性だけで食品を決めない
食物繊維には水に溶けないセルロースなどと、水に溶けるペクチンや海藻のアルギン酸などがあります。ただし多くの食品は両方を含んでおり、全員が同じ比率を目指す公的な基準もありません。種類よりも、まず1日の合計量を見るほうが実用的です。難消化性でんぷんについては「レジスタントスターチとは?働き・多く含む食品と冷やご飯の取り入れ方」の記事で詳しく扱っています。
1食だけでなく、1日の食事全体を見る
一覧は毎食すべての群をそろえるためのノルマではなく、選択肢です。朝食が主食だけになりがち、昼はめん類だけ、夜は汁物の具が少ないなど、普段不足しやすい場面を1つ選んで替えるところから始めましょう。
たとえば朝に全粒粉パン60g(2.7g)、昼にそば1玉(5.2g)、夜にブロッコリー80g(3.4g)と納豆1パック(3.8g)を選ぶと、これらだけで約15gです。ほかの食品にも少しずつ含まれるため、合計は献立全体で見ます。測定法の異なる値を足しているため、あくまで目安です。
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03いつもの食事から、何を替えると増やせる?


ここでは、主食を替えたり、汁物に具を加えたりすると、食物繊維をどのくらい増やせるかを紹介します。差を比べるときは、同じ測定法の値どうしで計算しています。
朝|主食の一部を替える

変更前 | 変更後 | 分量 | 食物繊維の差 |
|---|---|---|---|
角形食パン 1.3g(P) | 全粒粉パン 2.7g(P) | どちらも60g | +1.4g |
上の表では、同じ測定方法の数値を使って比較しています。食パン60gを全粒粉パン60gに替えると、食物繊維を約1.4g増やせます。全粒粉の配合割合は商品によって異なるため、購入するときは栄養成分表示も確認しましょう。オートミールを牛乳で煮る朝食に替える方法もありますが、パンとは食べる状態が違うので、同じ重量ではなく1食分どうしで比べます。
昼|コンビニでは1食分の表示を足し合わせる
コンビニの商品では、栄養成分表示の食物繊維を使います。食物繊維は表示が推奨されている成分で、義務ではないため、記載がない商品もあります。
まず、栄養成分表示が「1包装当たり」か「100g当たり」かを確認します。1包装当たりなら、食べた包装数を掛けます。100g当たりなら、「表示された食物繊維量×食べた量(g)÷100」で計算し、各商品の分を足し合わせます。半分だけ食べた場合は、その分の量で計算しましょう。
以下の数値は手順を示すための仮の表示例です。
変更前 | 変更後 | 計算 | 食物繊維の差 |
|---|---|---|---|
鮭おにぎり1個(1包装当たり0.6g)+具の少ないカップスープ(0.3g)=0.9g | もち麦おにぎり1個(1包装当たり1.8g)+豆と野菜のサラダ(100g当たり3.5g・内容量90g→3.2g)=5.0g | 表示値×食べる包装数を合計 | +4.1g |
夜|汁物にきのこや野菜を加える
変更前 | 変更後 | 具材量 | 食物繊維の差 |
|---|---|---|---|
豆腐とわかめの味噌汁 | 同じ汁にぶなしめじとえのきたけを加える | しめじ30g(1.2g・P)、えのき20g(0.9g・P) | +2.1g |
だしや味噌の量は変えず、きのこを加えるだけです。ごぼうやにんじんを加えて具だくさんにする方法もあります。味を濃くしたり、汁の量を増やしたりする必要はありません。
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04増やすときは、お腹の調子も確認する


3つの例をすべて同じ日に始めると増加幅が大きくなります。食事全体と体調を見ながら、1つずつ取り入れましょう。食物繊維入りの飲料や粉末を使っている場合は、食品から増やした分と重なっていないかも確認します。難消化性デキストリンやイヌリンなども食物繊維として測られる成分で、複数の商品を併用すると気づかないうちに量が増えることがあります。

少しずつ増やし、水分不足にも気をつける
米国国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(NIDDK)は、体が慣れるように食物繊維を少しずつ増やし、食物繊維がよく働くよう水分を十分にとることを勧めています。必要な水分量は体格や健康状態、活動量によるため、医療専門家に相談するよう記されています。腎臓や心臓の病気などで水分制限がある方は、医療者の指示を優先してください。
張りや下痢が出たら増量を続けない
お腹の張りやガス、下痢が出たら、その時点で増量を続けず、最近変えた食品や量を振り返ります。原因が食物繊維とは限りません。増やした食品名、量、始めた日を書いておくと振り返りやすくなります。見直しの手順は「食物繊維を摂りすぎるとどうなる?お腹の張り・下痢と量の見直し方」の記事で扱います。強い腹痛や血便、症状が続く場合は医療機関に相談してください。
FAQ
よくある質問
野菜ジュースやスムージーでも同じ量を摂れる?
製法や商品によって大きく異なります。成分表では、皮つきりんごは100g当たり1.9gですが、りんごのストレートジュースは微量です。商品の栄養成分表示で確認しましょう。
サプリだけで目標量を満たしてもよい?
食品は食物繊維以外のビタミンやミネラルも一緒に含みます。単一素材をサプリで大量に摂るより、まず主食や副菜の置き換えで食事全体を見直すのが基本です。
増やしても便秘が続く場合は?
量だけをさらに増やさず、水分、運動、生活リズムも含めて振り返ります。続く場合は医療機関に相談してください。食事と生活習慣の見直しは「【便秘解消法】便秘解消に効果的なおすすめの食べ物・飲み物と、排便を促す水分摂取・生活習慣のポイント」、食事以外も含めた始め方は「腸活は何から始める?初心者が最初の1週間でやることと続け方」で解説しています。
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05食品を選んだら、自分の腸内環境にも目を向けよう


食べたものと体調を簡単に振り返る
置き換えた食品と量、便の回数や形、お腹の張りを数日分メモします。続けやすかった場面と、合わなかった場面が見えてきます。ただし、食事の記録から腸内細菌の種類や割合までは分かりません。
菌の種類・割合と食事提案を、次の腸活のヒントにする
腸内フローラ検査の chatFLORA G は、腸内細菌を種レベルまで解析し、8カテゴリー40項目で現在の腸内環境を確認できます。さらに、検査結果とレポートサイト内の簡易食事アンケートを組み合わせて、食生活に合わせた食材・栄養素を提案します。自宅で採便して郵送し、結果は検体到着から3〜4週間後にWebで確認できます。今回の一覧で選んだ食品をどう続けるか、自分向けの選択肢を考える材料になります。食物繊維の最適な量を決めたり、病気を診断したりするものではありません。
自分の腸内環境と食事のヒントを知りたい方は、検査でわかる内容や購入条件を購入ページでご確認ください。
06
06まとめ|一食分の量と置き換えで、食物繊維を無理なく増やそう


食物繊維が多い食べ物は、100g当たりの量ではなく、実際に食べる「1食分」で考えると選びやすくなります。まずは1日の目標量を確認し、主食や豆類、野菜、きのこ、海藻などから、普段の食事に取り入れやすい食品を選びましょう。朝のパンを全粒粉パンに替える、汁物にきのこを加えるなど、いつもの食事を少し工夫する方法なら無理なく続けやすくなります。
食物繊維を増やすときは一度に大量に摂らず、少しずつ取り入れながら、水分やお腹の調子も確認しましょう。





















